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“強さ”がなければ“良さ”は生まれない

その言葉どおり、トヨタは現在、収益回復のための様々な作戦を展開している。そのメインはなんといってもコスト低減である。研究開発部門では九二年の秋に、組織改正を行った。これまで、横断的な組織だったエンジン、ボディ、デザインなどの開発セクションを、FF(前輪駆動)車、FR(後輪駆動)車、商用車など駆動別の体制に変えた。技術部門の大幅な組織改革は創業以来初めてのことであるが、駆動別という目標のはっきりした縦割り組織になったことで、車種・部品点数の削減がしやすくなり、また、開発期間の短縮をはかることができる効果が生まれた。バブル経済と呼ばれる好景気の時代、自動車メーカーは多品種少量生産に走り、様々な種類のクルマを生みだし、それが製造原価を押し上げた。また、環境・安全対策のための新技術開発、人件費増加などの要因も加わり、コストを押し上げてしまったのである。これらが収益を圧迫する大きな要素であったため、トヨタは技術部門の組織改革を行い、車種・部品の削減に踏み切ったわけである。

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