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労働組合は強すぎる?

労働組合は、法的にみると、きわめて強力な権利が与えられている。いやがる経営陣を団体交渉の場に引っ張り出すことができる。しかも、誠実な交渉を求めることができる(ただし、経営者には譲歩の義務はない。あくまで、交渉をすることが求められるだけである)。交渉がうまくいかなくなれば、ストライキなどの争議手段に訴えることができる。ストライキの効果を維持するため、脱落者が出ないようにすることもできる。もちろん、ストライキをしているときは、組合員は労務を提供していないので、賃金は支払われない(ノーワークーノーペイ)。

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しかし、争議行為をして会社の経営に支障を与えても、正当な争議行為であれば、損害賠償が請求されることもなければ、懲戒処分などを受けることもない。もし、会社がそのようなことをすれば、やはり不当労働行為となる。これが、争議行為が団体行動権として憲法上保障されていることの具体的な効果である。それだけでなく、もっと注目すべきなのは、労働組合は、どんなに少数であっても、会社に対して団体交渉を求めることができるということである。じつはアメリカでは、ある交渉単位において、労働者の過半数の支持を得た労働組合にだけ、団体交渉の権限が与えられる。労働組合は、組合員でない人まで代表して交渉するので、このような非組合員の利益を侵害しないような「公正代表義務」が課されるが、他の少数組合や個々の労働者が会社側と交渉することを阻止して、交渉権限を独占できる。会社としては、その過半数を代表する労働組合とだけ交渉すればよい。これを排他的交渉代表制という。日本は、この排他的交渉代表制をアメリカから輸入しなかった。そのため、日本の会社は、社員の中のごく一部しか組織していない少数組合とも団体交渉をしなければならない。また、企業内組合以外の労働組合であっても、自社の社員が1人でも加入していれば、団体交渉に応じなければならないのである。会社にとって、これはかなり困ったことである。そのため、アメリカのような排他的交渉代表制を導入すべきという主張もある。団体交渉のルートは一本化すべきだというのが、会社の論理だ。しかし、そうなれば、会社と協調的な労働組合しか存在しなくなり、会社の施策に反対する意見は抑え込まれてしまう危険がある。労働組合が複数併存している場合というのは、通常は、会社と協調的な労働組合と会社と敵対的な労働組合との併存である。敵対的な労働組合の存在は、会社にとっては迷惑かもしれないが、労働者にとっては会社に協力的な労働組合に満足できないときの受け皿となる。自分たちの利益を守るべき労働組合の選択の幅は多いほうがよいというのが、労働者の論理だ。